本日、仮想通貨取引所のコインチェックが全仮想通貨の出金停止となりました。
今回の事態は当時日本円価格620億円以上が不正に引き出されたことが発覚したことによるもののようですが、そもそもビットコインをはじめとした仮想通貨とはどうやってその安全性が確保されているものか、みなさんもちろんご存知ですよね?
今更の説明は必要無いかもしれませんが、ビットコインにはP2Pによる分散台帳技術(ブロックチェーン)がその概念のコア技術として用いられています。
P2Pと言えば今では懐かしいWinnyでも応用されていた、当時のことをお覚えの方にとっては今更復活したようなイメージの技術ですが、実はLINEやSkypeでの通話でも利用されているとても身近な技術です。
ただし、私が危険に思うのはP2Pではなくハッシュ化と呼ばれる暗号化技術が仮想通貨の取引の安全性を成り立たせている点です。
ビットコインでのハッシュ化アルゴリズムにはSHA-256と呼ばれる256桁のランダムな文字列を生成するものが採用されているのですが、確かにこれは現状ではとても強力なセキュリティを保証します。
ですが、ソニーの研究者によって64ラウンド中52ラウンドまで擬似衝突攻撃に成功されたことから考えると、今後数十年かけての技術の進歩によっていずれは完全にクラックされることは想像に容易いでしょう。
SHA-256がいずれは完全にクラックされるとしても、その頃にはビットコインのセキュリティ技術も今とは比べ物にならないほど強固になっているでしょうから、安直に「仮想通貨は危険!クラックされる!!」とは言えないでしょう。
ですが、今回のコインチェックを襲った悲劇のように攻撃者と開発者の進歩のタイミングが一歩ズレただけでも緊急事態が発生することを考えると、仮想通貨バブルの崩壊は案外そう遠くないのかもしれないと思えるのは、私だけでしょうか。